今回のご相談は、クロコダイルのバッグの全体的なリペアと色直しの依頼でした。
以下はリペア後のバッグの様子です。
リペア後だと使い古し感はある程度ありますが、色味の擦れなどは当然リペアしているので、比較的きれいに仕上がりました。
もともとワニ革は色が入りにくいのですが、なんとか、色入れと磨きを何度も繰り返して少しづつ色を調整してリペア致しました。
こちらが、リペア前の状態です。
ワニ革の独特の柄が擦れてしまっているところと、そうではないところが混在したりして、古臭さがどうして出てしまっています。
ちなみに、この柄は、クロコダイルレザーの「斑（ふ）」と呼ばれる模様で、平たく言えばうろこです。
四角いのを竹斑（たけふ）と呼び、丸みがあるものを丸斑（まるふ）、玉斑（たまふ）といったりします。
ワニ革は、どうしてもその凹凸の兼ね合い上、痛む箇所とそうでないところがはっきり出てしまいやすいです。
また、その凹凸の間が、しわとなったりします。
なので、その凹凸を自然な状態を保ちつつ、茶色から、黒へと色変えを行いました。
各パーツもきれいに黒色へ変更できました。
凹凸の部分があるワニ革は、とにかく色変え作業をするときにも、ムラになりやすかったりします。
革が痩せているところ、傷がついてしまっているところなどでは、色が入りすぎる箇所、入りにくい箇所などが出てきてしまうからです。
この辺りは、長年の経験で、少しづつ、工程を重ねていくしかありません。
素人の方が行うと、まだら模様のように色のムラができたりします。
こういった革製品のバッグは、大事に使ってあげれば、本当に何年も時間がたっても十分使い続けることができます。
例えば、いただいた物や、思い出がある場合などは、そう簡単に買い替えればいいという事ではないと思います。
そういった時の駆け込み寺として、革の洗濯屋さん縁（えにし）ではできる限りなんとかするように対応を心がけています。
今回のようなワニ革のバッグの修理などが必要な場合は、お気軽にご相談ください。
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