今回は珍しい、ゴルフバッグのリペアのご依頼です。
持ち手の部分が取れてしまったのですが、何処に相談しても修理はできないという事だったそうです。
見た所そんなに汚れてもいないし、他の部分だけ見ると全く問題なく使えそうに見えますが、持ち手というか取っ手というのか、その部分がぱかっと片方取れてしまっています。
これでは重量があるゴルフバッグを持つ事ができずとても不便な状態です。
ご依頼の際にもどうにかしたいけど、新しく買い直すというのは気持ち的に進まないという感じでした。
まぁ確かに、この持ち手の部分さえしっかり機能すればまだまだ長く使えると思えば、どうにかしたいと思いますよね。
私もそう思います。
基本的に作られた物であれば、バッグと名がつくものは、ほぼほぼ修理できます。
とは言え、楽勝楽勝!という感じで甘く見ているわけでは有りませんから、何度か打ち合わせをさせてもらった上で対処させてもらうということになりました。
という事で以下は修理の様子です。
もともと使用されてあった糸の太さで修理しても良かったのですが、また取れてしまったという事にならないように、現状で使われているサイズの倍以上太い糸で手縫いをして仕上げました。
また、裏側にあて革を入れて強度も増すように補強も入れています。
このあたりは、縫い付ける場所の特性や、特徴、バッグ自体の作りなどを見ながら判断します。
今回は、補強すべきと感じましたので革で補強したというわけです。
しばらくはよくても、またとれちゃった…となるのは、技術者としても嫌ですし、何よりご依頼者様が落胆されてしまっては弊社の存在意味がなくなってしまいます。
縫い付ける深さも考えなければいけない
あとは、この手縫いに関しても、どこまで深く縫い付けるのか?という事も出てきます。
革同士を縫い合わせるのとはわけが違います。厚みがあるベースに縫い付けるという事なので、シワになったりしないようにしなければいけません。
またその上で、強度は絶対です。
指先が痛くなったり、攣りそうになりながらもなんとか無事に修理できました。
表側から見るとバッチリですね!
一度取れてしまったという事は一切わからないレベルで仕上げることができました。
近づいてみてもこんな感じです。
ステッチデザインのような感じになることを意識して縫い合わせました。
このあたりは強度の兼ね合いが有るため、完全にもとと同じでは有りませんが、ご依頼者様にはとても喜んで頂けました。
という訳で今回は、ゴルフバッグの持ち手が取れちゃったのを、縫い付けて取り付けるという修理を行いました。
今回は過去にあまり例の無いご依頼でしたが、お客様にも私自身としても長年の技術があれば対応できなくもない。
という事に繋がる事ができました。
ご依頼ありがとうございました。