今回は、色あせと汚れなどが目立っている状態から色変えを行いました。
このワニ柄、クロコダイルの凹凸(エンボス)加工がされてありますが、ザーッと色変えの塗装をすればいいという物ではありません。
1つ1つのエンボスを丁寧に1つづつ色を塗っていくのですが、その理由は、エンボス1つづつが、凹凸の深さが微妙に違う事で、存在感を引き立てる為です。
なので、実際の色変えをしていく作業としては、財布というサイズの割には比較的時間と手間がかかる繊細な作業を要します。
縫い目の所や、折り返しの所、角の部分なども箇所箇所に合わせた塗装方法を用いないと、のぺっとした、立体感が無い貧相な仕上がりになってしまいます。
そしてこちらが、色変えを行った後の画像です。
写真ではちょっとわかりにくいのですが、1つ1つ微妙に色ののせ方が違います。
それによって、先ほど申し上げた、エンボスの存在感を殺さず、色を変える事ができました。
財布の折り目の所なども、なるべく綺麗に仕上げる為に、特殊な塗装方法をしています。
この折り目の部分などは、特に劣化しやすい箇所でもあります。
ぱっと見の出来も当然必要なのですが、これからまた長く使う為の事も考えて色をのせています。
金具周りは、あえて依頼があった状態にに近い感じにしています。
汚れなどは、なるべく除去しているのですが、ここだけ不用意に磨いたりしてしまうと、金具だけがピカピカになると不自然な感じになってしまいます。
今回も依頼の内容に合わせて、使用者の事を考えた革の財布のリペア作業でした。
クロコダイル(ワニ柄)財布の色変えビフォーアフター
画像の真ん中のつまみを左右に動かすと、ビフォーアフターで比較できます。
今回もご依頼ありがとうございました。