今回は、バッグの変色を目立たないように対策致しました。
画像を見ていただくと、わかりますが、バッグの上部あたりだけ、色が濃ゆくなっているのが分かると思います。
わかりやすく画像に枠を付けてみました。
赤い枠の中が、黒く色が詰まったような感じで、黒く変色しています。
バッグなどの色補正で、色掛けという手法で色を乗せていく方法があるのですが、依頼いただいた状態では、色を濃ゆくしていくのは可能なのですが、濃い色を薄くする事はできません。
できたとしても、バッグの編み込みの質感などをつぶしてしまったりするので、やはり現実的ではありません。
という事で、少しデザインを変更して対処しました。
その対処は、下記画像を見ていただければわかります。
色が変わったところに沿うように、同じ色の革を当てて、変色している所を覆う事で変色しているのを見えないように致しました。
このあたりの作業も、元々ついている革の持ち手の部分の革の質感や編み込みの糸の色などに合わせて統一感を出すようにしています。
知らない人が見たら、もともとのデザインとしてこのように革が縫い付けてある物とみられるくらいになっています。
完成系の、全体画像です。
違和感なく全体的にも、バッグのデザインとしていい感じになりました。
ご依頼者様とのやり取りで、色掛けでの対処が難しい場合でも、長年の経験や知識で今回のような方法も含めて、ご依頼者様の意図を組んで、補修についてのやり取りをさせていただいています。
愛着はあるけど、もう古くて使えないとあきらめていた物があれば、お気軽にご相談下さい。