

トレーニングを積み重ねてきたパワーベルト。使い込むほどに体に馴染んで、なかなか手放せないものですよね。
でも、ふと気づいたらステッチがほつれていた。
そんな経験はありませんか?
「捨てるのはもったいない。でも、こんな分厚い革を縫い直してくれる店なんてあるの?」


今回ご紹介するのは、まさにそんなお悩みをお持ちのお客様からお預かりしたパワーベルトのリペア事例です。
今回のリペア内容|本革パワーベルトのステッチ縫い直し

お持ち込みいただいたのは、ウエイトトレーニングで長年使い込まれた本革製のパワーベルト。
ダブルピンバックル仕様の本格的なモデルで、腰への安定感が高い反面、ベルト自体の重量も存在感も相当なものです。
状態を確認したところ、縫い目のほつれが進んでいました。
そのまま使い続ければ、高重量を扱う際に縫い目がさらに開いていく可能性があります。安全面からも、早めの修繕が必要な状態でした。
まず驚いたのが、その厚みです。専用のダイヤルゲージで計測すると、なんと1cm(10mm)。
一般的な革ベルトの2〜3倍はある分厚さです。これだけの厚みがあるからこそ腰をしっかり保護できるのですが、逆に言えば、ミシンでは対応できない厚さでもあります。
なぜ手縫いで対応したのか

革製品の修理を請け負っていると、「ミシンで縫えませんか?」とよく聞かれます。
しかし今回のように厚みが1cmを超えるものは、工業用ミシンでも針が通りきらないケースがほとんどです。

無理に機械縫いをしようとすると、針が折れたり、縫い目が均一にならなかったりと、仕上がりに問題が出てしまいます。
そのため今回は、一針一針、手縫いでの縫い直しを選択しました。
写真のように、2本の針を使って革の両面から糸を通していく「平縫い(サドルステッチ)」の要領で縫い進めていきます。力と集中力が必要な作業で、一周の長さは約2.5メートル。手縫いでこの距離を縫い上げるのは、相応の時間と技術が求められます。
縫い直し完了|ステッチが整った状態に

縫い終わった状態がこちらです。ほつれていた部分も含めて、ベルト全体に均一な縫い目が戻りました。縫い目の乱れや飛びもなく、しっかりと糸が革に食い込んでいます。

全体を広げるとこのとおり。バックル側から穴あき部分まで、ベルト全長にわたって縫い目がしっかり入っています。使い込まれた革の風合いはそのままに、構造的な強度が回復しました。
「捨てなくてよかった」と感じていただけるリペアを
パワーベルトは、安いものでも数千円、こだわりの本革モデルになれば数万円するものも珍しくありません。ステッチがほつれたというだけで買い替えるのは、正直もったいないと思います。

しかし、「縫い直してもらえる店」がなかなか見つからず、泣く泣く処分してしまう方も多いのが現状です。
今回のように厚み1cm、全長2.5mという難易度の高いリペアでも、手縫いの技術でしっかり対応できます。「こんなもの直せるの?」と思ったものでも、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
今回のリペア内容を改めて整理します。
- 対象:本革製パワーベルト(ダブルピンバックル仕様)
- 作業内容:全周ステッチの縫い直し
- 全長:一周約2.5メートル
- 革の厚み:1cm
- 縫い方:手縫い(厚みのためミシン不可)
「ステッチがほつれてきた」「縫い目が開いてきた」という革製品のリペアは、お気軽にお持ち込みまたはお問い合わせください。


